短編集/魚喃キリコ

年に2回ぐらい、「かってに改蔵」や
パタリロ!」とか「だめんず〜」じゃなくて
こういう漫画が読みたくなる時期がある。
秋は、魚喃キリコを読むのに丁度いい季節だ、と思う。


シンプルな、まるで飛行機の前の座席の
シートポケットに入ってる避難経路図みたいな画風が
かえって物語に引きこんでくれる。
というか、この人の漫画の本質は文章にあるんじゃないか。
漫画とか小説より、魚喃キリコは詩に近いんじゃないか。


思いっきり物語に入り込んで、
(タバコやアルコールがあると、なおよい)
思いっきり切なくなったら、
現実という水面に浮き上がって、
思いっきり呼吸する、素潜りみたいな感じ。
潜って浮き上がると、
気分がちょっと軽くなる。


秋にオススメな作家です。